ハワイ格安ツアーの代名詞「てるみくらぶ」の倒産について

ニュースを聞いて驚きました – 「てるみくらぶ破産宣告」。ちょうど日本の友人夫婦が先月ハワイに来たのが「てるみくらぶ」のツアーでした。彼らは富裕層。だから、最初に「え?なんでてるみくらぶなの?」と思いました。きっとJTBやJALパックだろうと思っていたのですが。しかしちょうどその前に、以前のホテル仲間から「てるみくらぶ、プーコが働いていた時とは違って、今はラグジュアリー路線に変更しているよ」とのことでした。なるほどね。

私は2012年まで5年間、ワイキキのホテルでコンシェルジュや日本語ゲストサービスをしていました。その前に旅行代理店関係の仕事(直接ではないが)もしていたので、旅行業界のことはある程度知っています。てるみくらぶについては、格安ハワイツアーもたくさん出しており、だんだん大きくなっているな、という印象を持っていました。しかしここに来て破産宣告。150億円もの負債。こんなに格安でどうやって経営を成り立たせているんだろうって、たまに考えたこともありましたが。

まず最初に、被害に遭われたお客さんたちがかわいそうだということ。ウェディングプランで150万ほど払っている人もいる、そしておそらく返金されるのが約1%だということ。もし自分が被害にあったら、怒り狂うでしょう。旅行会社でのブッキングについて、ホテル側にはお客さんが予約をすると旅行代理店が送金し、予約が作られます。てるみくらぶが払っていないということは、ホテルの予約が確保できていない。お客さんは路頭に迷ってしまいます。

私は10年ほど前、エステサロンが急に倒産し返金されるか不安だったのですが、クレジットカード決済だったため全て返金された。現金の人は返って来なかったそう。こういう時、クレジットカード決済のほうがいいと感じました。今回の件どうなるかわかりませんが、ダメ元でクレジットカード会社に対応を依頼してみてください。

Embed from Getty Images

 

先ほど、てるみくらぶの山田千賀子社長の記者会見を観ました。経営が悪化し始めたのが一昨年。同社は、オンライン格安ツアー予約の草分け的存在だったわけですが、昨今エクスペディアやトラベロシティなど、米系ネット旅行予約の会社が台頭。私がまだホテルで働いている頃から、一般の旅行代理店からエクスペディアなどで予約をする人たちが増えてきました。その競争の中で生き残っていくためにいろいろ戦略を練っていたんだと思います。その1つがシニア・富裕層へターゲットを転換。そのため、新聞などでの広告費がかさんでしまったようですね。

また、航空会社側が席が売れなくて困った時に席を埋めてくれる会社として信頼されてきたが、機材の小型化のため余剰席もなくなり、需要が薄くなってきたことも原因になっているらしい。

 

だけど、150億円という負債額が巨額。前述の友人も、今思えば「現金一括で3日以内に支払ってください」と言われ、なんだかちょっとそこが気になったと言っています。

計画破産かどうかは不明ですが、最後までなんとか建て直そうと社長は頑張っていたのかもしれません。が、結局お客さんを含め周りに迷惑をかけてしまいました。経営者の経営判断ミスですね。早めに対処していればまだ被害は少なかったかもしれません。残念です。

参考までに下の記事も読んでみました。

http://www.moving-to-phuket.asia/entry/2017/03/26/151222

 

これからは自分でブッキングして旅行に行く人たちがさらに増えるでしょう。そして生き残りをかけて、旅行業界の競争がさらに激しくなっていくでしょう。

昨年我々はソウルとバンコクへ行きましたが、ソウルへは etour.com, バンコクへはエクスペディアの格安ツアーを使いました。どこの旅行会社がいいのかは一言では言えませんが、ただ安いというだけで決めるのは安易すぎると感じ、今度からはもう少しリサーチしようと思いました。

Exit mobile version